2026/10/05 10:00


※掲載画像はイメージ画像です。実際の水産試験場・養殖場を撮影したものではありません。

「信州サーモンは、長野県で生まれた魚です」と聞くと、どこが特別なのだろうと思うかもしれません。

答えは、魚が育つ場所だけではありません。信州サーモンは、長野県水産試験場が開発した養殖用の魚です。四倍体のニジマスを雌の親魚に使い、ブラウントラウトと掛け合わせて、食用の全雌三倍体を生み出します。 稚魚を生産するのは長野県水産試験場。その稚魚を県内の養殖業者が育てます。

■ 四倍体なのは、食べる魚ではなく「親魚」

通常のニジマスは染色体を2組持ちます。信州サーモンの生産には、染色体を4組持つニジマスの雌親魚を用います。その卵に、ブラウントラウトの性転換雄から得た精子を受精させて生まれるのが、染色体を3組持つ信州サーモンです。

ここは間違えやすいところです。四倍体はニジマスの親魚。私たちが食べる信州サーモンは三倍体です。雌だけの三倍体は卵をつくらず、産卵のために身の栄養を使わないという特徴があります。

■ 親魚を育てるところから始まった、長野の研究

四倍体の親魚を作るのは容易ではありませんでした。長野県水産試験場は約10年をかけて信州サーモンを開発しています。同試験場の報告によると、研究初期には、試験に用いた卵22万粒から成魚になった四倍体は43尾、約0.02%でした。その後、得られた四倍体同士を掛け合わせ、実用的な数の親魚を確保できるようになったといいます。

この0.02%は、開発時に四倍体の親魚を得た割合です。いま養殖されている信州サーモンの生存率や、商品の希少率を示す数字ではありません。 一切れの原料魚の前に、長い研究と親魚を育て継ぐ仕事があります。

■ 稚魚は県の水産試験場から、県内の養殖業者へ

信州サーモンの種苗(しゅびょう・養殖のもとになる稚魚)は、長野県水産試験場のみが生産しています。県は2004年に稚魚の供給を開始しました。稚魚は県内の養殖業者へ渡り、県の紹介では約2~3年かけて食用の大きさに育てられます。

「信州サーモン」という名前は、こうした長野での開発、稚魚づくり、養殖につながっています。

■ その原料から、信州薫鮭へ

信州スモークの「信州薫鮭(しんしゅうくんけい)」は、長野県産の信州サーモンを使った冷燻製のスモークサーモンです。食塩と砂糖で味付けし、桜チップの薫りをまとわせています。

最初の一切れは、何もつけずに。原料魚の味わいと薫香を感じてから、わさび醤油やバゲットとの組み合わせも試してみてください。贈り物を選ぶときにも、魚がどう生まれ、どこで育つのかを知っていただけたらうれしいです。

信州薫鮭40gの商品ページ:

信州サーモンと浅間サーモンの味わいの違いはこちら:

【参考資料】
・長野県農業関係試験場「信州サーモン(オリジナル開発品種)」
・長野県水産試験場「信州サーモンができるまで」
・長野県水産試験場「染色体操作による新たな養殖魚『信州サーモン』の開発」